約100%の確率で人類は自分達を滅亡させる

Anything that can go wrong will go wrong.
失敗する可能性のあるものは、失敗する。

マーフィーの法則

2021年1月28日

tを年数とする。人類が今後t年間のあいだに人類が滅亡する確率をPとする。1年以内に全面核戦争が起きる確率は比較的低いと思われるのでtが1の時はPは低いと想定できるだろう。しかしtを増やして数年にするとPが多少は上がるだろう。そしてtをもっと増やすとPはもっと増えるだろう。tを百年にしたりするとPは高確率になるかもしれない。そしてさらにtを数百年に増やしていくとPはだんだん100%に近づいていくし、tを充分に伸ばしたらPはほぼ100%になる。

これはマーフィーの法則に時間の概念を追加した改訂版とも言える。このコンテクストでいうと「失敗の可能性のあるものは、充分な時間が経過すると、必ず失敗する」となる。

歴史的にみてホモサピエンスは発達した脳みそと攻撃性のために他の種を絶滅させてきた。最初はネアンデルタール人のように人間に近い種を、その後は世界中の大陸で様々な種を絶滅させてきた。科学技術の発展により殺傷能力を増加させてきた人類は多量の核兵器を保有するようになり、生物にとっての新たなリスク要因となったのはある意味自然な流れかもしれない。皮肉なのは今後は人間自身が絶滅のターゲットになるということである。

とは言いつつも、人類が人類を滅ぼすなんて読者もピンとこないと思うので以下にFAQ方式で説明を追加していく。

他の星に移住できるようになれば核戦争が起きても問題ないよね?

Yes. ただし条件があって、移住した星に常時まとまった人数が住んでおり、そこから(地球からのサポートなしに)独力で地球に帰還できる体制が整っており、文明が途絶えて核の冬の地球に帰還した後に農業や牧畜で生活しながら子孫を増やしていく必要がある。

そんなことしなくてもアメリカやオーストラリアの田舎に大型核シェルター作ってそこに人を常駐させることができるが、そんなことやってる人はほとんどいない。主要国が核兵器削減に大きな努力を費やしていると言いづらい現状を鑑みるに、人類は発生する可能性は低い事象に対しては対応を先延ばしする動物のようである。

核兵器を削減するか廃絶すれば問題ないよね?

Yes. ただし人類が核兵器と同等かそれ以上の破壊力をもった兵器を二度と開発しないという条件が必要になる。科学の進歩を完全に止めるか、研究成果の管理を厳格に行う必要がありそうである。

そうはいっても核戦争の確率って低くない?

核戦争が発生する確率は算出できないしだれにもわからない。人々が自分の主観として高いか低いと感じているだけである。広島の後に80年近く核戦争が発生していないのは、その確率が高いけれどもたまたま運良く発生してないのか、それとも確率が低いからなのはわからない。仮に核戦争の確率が低いという前提が正しいとしても、それは人類滅亡の確率Pが上がっていくスピードを遅くするだけにすぎない。人類が自分たちを滅亡させる可能性をゼロにしないかぎり、そのうち必ず人類による人類の絶滅が起こる。